IBMは、2028年までに大規模でエラー修正機能を備えた最初の量子コンピュータの構築を目指しています

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量子誤り訂正で切り拓く、次世代超大型量子コンピューターへの挑戦 2028年、世界初となる大規模で誤り訂正機能を持つ量子コンピューターの実現を目指している。従来の量子コンピューターは、計算中に生じるエラーが避けられず、そのために期待されるほどの精度や規模での計算が困難だった。だが、今回の新しい計画では、誤り訂正を組み込むことで、これまでの限界を大きく乗り越えようとしている。 新たに開発される「スターリング」というマシンは、ニューヨーク州の新しいデータセンターに設置され、複数のモジュールをネットワーク化して構成される。それぞれのモジュールには専用のチップが搭載され、従来型の1枚基板上に全ての量子ビット(qubit)を並べる方式から、複数の小型ユニットを連結して大規模化する「モジュール型」へと進化している。こうした設計思想は、近年の量子計算業界全体が取り入れ始めているアプローチでもある。 量子誤り訂正は、量子コンピューターの最大の技術的課題のひとつだ。通常のコンピューターが0と1のビットで情報を扱うのに対し、量子コンピューターは重ね合わせを持つqubitを利用する。このqubitが微細な環境の変化や計算の影響で簡単に誤動作を起こすため、計算精度を維持するには誤り訂正が不可欠となる。誤り訂正のためには、一つの論理qubitを多数の物理qubitで構成する必要があり、その効率性が競争の鍵だ。スターリングでは、12個の物理qubitで1つの論理qubitを維持できる設計となっており、これは他社の先進的な方式と肩を並べる効率だ。 さらに、スターリングはリアルタイムでエラーを検知し修正する「デコーディング」を実現する見込みだ。これにより、計算中に発生したエラーが即座に認識・修正され、より長時間・大規模な計算が可能になる。具体的には、これまで数千回の連続計算しか維持できなかった量子計算を、スターリングでは1億回もの論理操作を正確に連続実行できると見込まれている。 ただし、これが実用的な課題解決に直結するかは未知数とされる。多くの専門家は、「本当に有用なアルゴリズムを走らせるには、さらに一桁上の規模と精度が必要」と指摘するものの、今回の試みは間違いなく業界の重要な転換点だと受け止められている。 開発ロードマップも段階的で現実的だ。まずは2024年に誤り訂正情報を保存できる小型チップ「ルーン」の実証、翌年には情報保存と計算の両方ができる「クカバラ」の開発、2027年には複数ユニットを連結した「コカトゥー」と進み、最終的に100以上のモジュールを繋げて「スターリング」を構築する計画だ。その先には、さらに2000論理qubitを持ち、10億回の論理操作が可能な「ブルージェイ」の構想も描かれている。 量子誤り訂正の技術を核に、大規模かつ実用的な量子計算が現実味を帯びてきた。研究・開発競争が激化する中で、この新しいアプローチがどのようなブレークスルーを生み出すのか、今後の展開から目が離せない。
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IBMは、2028年までに大規模でエラー修正機能を備えた最初の量子コンピュータの構築を目指しています

IBMは、2028年までに大規模でエラー修正機能を備えた最初の量子コンピュータの構築を目指しています

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